*"Do you love me?本編"と被ってる前半をカットしてます。
「…ゴメン。」
シンジはアスカから視線を剃らして、下を向いた。
アスカは、シンジのこの言葉を聞いて悲哀に満ちた顔をした。
そして、掴んでいたシンジのシャツから手を離して、うなだれながら言った。
「…やっぱり、私じゃだめなんだ…。」
「違うよっ!!」
突然シンジが顔を上げて叫んだ。
「僕だって男だから…これでも…」
そう言ってシンジは突然、アスカの腕を掴んで自分の胸元に引っ張り込んだ。アスカは驚いたが、声を出す暇もなく、シンジに抱き寄せられた。
「…我慢してたんだ。
でも、無理やりなんて…
それにアスカは…こんなに…」
シンジはアスカの細くなった体を、折れないように抱きしめながら彼女の背中に回した手でその背を撫でた。
「…別に、我慢しなくてもいい…。
それに、何もしてくれない方が…イヤ。」
アスカはシンジに抱きしめられながら自分の手を彼の背に回し、その胸に顔を埋めた。
「…でも…」
シンジは戸惑ったような声を出した。
「私がいいって言ってるじゃない。
お願い、私がアンタの側に居られるって証拠、見せてよ。
でなきゃ私…」
アスカが顔を上げて、潤んだ目でシンジの目を覗き込んだ。
彼女の目は…淀んだ赤い瞳と元々の蒼く澄んだ目は、潤んでいた。しかし、それは、情欲で潤んだ目でなく、寂しげで、そしてとても哀しげな目だった。
「…ねえ、シンジ。
私、不安なのよ…。
このままシンジが私を見限ってどこかに行くんじゃないかって。」
「どこにも行かないよ…。」
シンジはそう言ったが、アスカはより一層哀しげな顔をした。
「未来のことなんてわかんないわよ。
ヒカリも変わった。アンタだって変わるかもしれない…。」
「変わらないよ…」
シンジはそう言った。
しかし、アスカはより哀しげな目をしてシンジをじっと見ている。
「じゃあ証拠を見せてよ…。このままじゃわかんないのよ…。
私は優しさも、同情も、哀れみもいらないのよ。」
そしてアスカは彼を、あの、赤と蒼の目でじっと見つめながら言った。
「何もしないならここを出てく。
私がアンタのものになれないなら、ここに居る意味なんてない…」
アスカはいつかシンジが見たような顔をした。
あの、現な夢の中で見たアスカの表情。そしてかけられた言葉はその時アスカの吐きだした言葉とよく似たものだった。
シンジはアスカの目を見た。
アスカは本気だ。ここで何かをしなくては、アスカは本当に…。
シンジはそのままアスカの腕を掴んでその顔を自分に引き寄せ、その唇を塞いだ。
そしてアスカの唇に自分の唇を押し付けたまま、シンジは強く抱きしめた。
「んっ…」
アスカは、唇を塞がれたまま、呻いた。
これが二人にとって二度目のキスだった。
一度目は、アスカからは遊び半分と勢いと期待がほんの少し。シンジもアスカの勢いに任せただけでアスカには彼の愛情なんて感じないキスだった。
でも、今日のは前と違って暖かくて気持ちいい。
アスカはシンジに口付けされながら、唇をわずかに開かせた。シンジがその唇に割り込むように自分の唇を押し付けて来た。
シンジに抱きしめながらの口付けで、アスカは少し息が苦しくなって小さく呻いたが、そのままシンジの唇を食むように先程より唇を開けて、より深くシンジを迎え入れた。
シンジの方も自分の唇でアスカの唇を甘く噛むように動かす。
しばらく互いの唇を食ませるように口付けしていた二人だが、そのうちアスカの方が息が切れ始め、そのままアスカはシンジの腕の中でのけぞるように体を反らせながらシンジから唇を離した。
そしてアスカは甘い艶声の混じったような声を漏らしながら大きく息をした。
シンジはそんなアスカを腕で支えるように抱きしめながら、アスカをうっとりと見た。
「…アスカ…」
シンジの甘い響きのある声がアスカの耳に届いた。
アスカはその声に反応するように潤んだ目をシンジに向ける。その目は先程とは違って切なげだった。
そのままシンジはアスカを抱きかかえるようにして、自分の部屋へと向かった。
シンジはアスカを自分のベッドにそっと降ろした。
そして、仰向けに横になったアスカに体重をかけないようにしてシンジが覆い被さってきた。
部屋の中は暗かったが、窓から月明かりがゆるやかに二人の顔を映していた。
アスカは甘美さを湛えた憂いのある目でシンジを見つめている。
しかし、シンジは彼女の左の…赤く濁った瞳を覗き込むように見つめていた。
アスカが彼のそんな様子に気が付き、眉をひそめた。
「…何よ…」
いぶかしげにしているアスカの左の頬に、シンジは手を添えてそっと撫でた。
「あ…」
撫でられた瞬間にアスカは、目を細めて自分の細い顎を上げた。
シンジはそのまま撫でた彼女の左の頬とやや閉じかけられてる左の瞼に顔を近づけ、優しく唇で触れた。「あっ…」口付けをされた瞬間、アスカは甘い声をあげた。
シンジはそのままアスカの左目や頬を撫で回すように唇を這わせ、じょじょに唇を、顎の辺り、そして首筋まで降ろしていった。
その間、シンジの手はアスカの傷跡をなぞるように右腕の手首から脇の近くまでゆっくりと撫で上げる。
その手はアスカの脇を通り腰の辺りまで滑り込んだ。そしてそのまま彼女のTシャツの中に滑り込んでアスカのお腹の辺りを撫でた。
アスカは傷跡が縦横に走る腹部に触れられ、一瞬身体を振るわせた。
シンジはそんな彼女に構わずに、顔を上げてから彼女のTシャツを鎖骨の辺りまで捲し上げてた。アスカの腹部の傷跡から胸まで露になる。
シンジはしばらくの間、胸の辺りから腹部までじっと見ていたが、おもむろに彼女の胸元に唇を押し付けた。アスカの身体が再び震える。
シンジは唇を胸元からゆっくりと腹部まで滑らせていった。
アスカが身を強張らせる。
シンジはまさくぐるように唇で腹部を撫でてながらそのまま舌を這わせた。
「うっ…ああっ!!」
アスカが身体を仰け反らせた。
アスカは量産機が弐号機を、彼女の腹を食い荒らする前に汚らしく彼女の身体を舐め回したのを思い出した。しかし、今はその傷跡をシンジに愛でられている。
気が付くと、アスカはシンジに衣服を全て脱がされていた。アスカはそのままシンジにされるがままに、身体中に触れられ、時々小さな甘い喘ぎ声を漏らしたりした。
そのうち、アスカは腰を揺すり、ベッドのシーツを握ったり、引っ張ったりし始めた。
アスカの太腿の間には先程からシンジが割り入ってアスカはどうにもならずに身体を揺すり、首を小刻み振る。
「…シンジぃ…。」
アスカはたまらなくなって、切なげな声を出して彼女をまさぐっているシンジの背に手を回して彼に抱きついた。
「…もういいの?」
シンジはアスカに手を回されたまま、確認するように囁く。
アスカはシンジに自分の身体を押しつけるようにしてそれに応える。
シンジはアスカからゆっくりと身体を離した。
アスカは呆然と天井を見つめたままじっと待つ。
彼女の足もとあたりからベッドの揺れと衣擦れの音を感じた。
衣服を完全に脱いだシンジが仰向きになっているアスカに覆い被さって来た。アスカの柔らかな素肌にシンジの熱くなった肌が触れる。
シンジはアスカの首や頬、胸や腕、腹部を撫で擦った。
アスカが甘い喘ぎをあげる。
シンジは再びアスカの太腿の間に身体を割って入らせ、時々彼女の足の付け根に自分の身体を押し付けては擦り付ける。
そして、アスカが堪らなさげに彼の腕を掴んだ時、シンジは彼女の中に押し入るように腰を進めてきた。
しかし、上手く彼女の中に入れず、しばらく彼女を自分のもので撫でまわす結果になった。
そしてしばらくシンジは擦り付けたり、押し付けたりした。
改めて少し腰を進めると、今度はアスカが少し苦痛を含んだ呻き声をあげた。
「いい?」
シンジが尋ねた。
アスカは不安げに眉を寄せながら濡れた目でシンジをじっと見てからコクリ、と首を縦に振った。
シンジはそのまま強く身体を進めた。
アスカが悲鳴のような声を上げて身体を反り返させた。
「ごめん、アスカ。すごく痛かったよね。ごめんね…。」
シンジは仰け反るアスカを心配そうに見ながらひたすら謝った。
アスカは涙目になりながらシンジを見上げて、そのままシンジの頬に触れた。
眉をひそませながらアスカを見つめてるシンジの頬を、アスカはかつてのようにそっと撫でた。
「…変な顔、しないでよ…。」
そしてアスカは眉を寄せて少し苦痛な表情を浮かべて言った。
「…でも、ちょっと、痛いから、しばらく動かないで…。」
シンジはなるべく腰が動かないようにアスカの顔にそっと自分の顔を近づけ、唇に触れた。
しばらくシンジは彼女の身体を擦ったり、撫でたりしていたが、アスカの険しい表情が和らいだのを見計らって、少し身体を揺すった。
アスカの身体がビクっと震える。
シンジは少しずつ身体を揺するように、動かし始めた。
アスカが呻き声を漏らしながら、シーツを握りしめる。
そうしてシンジは揺すり続けていたが、段々抗しがたい感覚に捕われたような、そんな苦痛に満ちた表情になってきた。
「ご…ごめん、ずっと我慢してた…けど! うっ…! 」
シンジが動きを止めてビクっと震えた。
その瞬間にアスカが目を見開いた。
血と、自分のものと、他の何かが溢れて一緒になって滲み出てくる感覚を覚えた。
アスカは呆けたようにシンジの顔をじっと見た。
シンジはアスカに体重をかけないように肘で自分の身体を支えながら、荒く息をしていた。
月明かりが窓辺からゆるく、部屋の中に射し込んで来る。
その月明かりに照らされて二人の顔が映る。
一人はベッドに俯して寝息を立てている。
一人は横になりながら蒼い目と、視力がほとんどない赤い左の目で、ぼんやりと窓辺の方を見ていた。
一人がゆっくりと上半身を起き上がらせた。
「うっ…」
起き上がらせる途中で、足の付け根の辺りから、何とも言えない痛みのような、少し不快な感覚を覚えて、顔をしかめた。
彼女はベッドの傍らに眠る彼の顔を見た。
彼は穏やか顔をして眠っていた。かなり気遣い続けて疲れたのだろう。
彼女は彼の顔を見ながらポツリと呟いた。
「シンジ、私は間違ってる…?
私、ただ慰めてもらっただけじゃないよね…?」
彼女はふと、かつて彼と共に同居していた女の事を思い出した。
大人同士の寂しさを紛らわす為の慰めあいをしていた女…。
「僕は慰めてなんてない…
ただ、またアスカを傷つけたんじゃないかって…
そう思ってる…。」
彼はそっと目を開けて、彼女の問いに応えるように呟いた。
「…傷つけられたなんて思ってないわ…。
好きよ? シンジ…。」
彼女は彼に寄り添ってそっと口付けをした。
そして、再び二人は再び睦み合い始めた。
二人はこの時の気持ちが本当だと信じて…。
END