夏の午前の強い日差しの中、アスカは退院した。
彼女が着ていたのはシンジから貰った服…。
夏らしいカットソー、アコーディオンのチェックのスカート、そして上から羽織るカーディガン。
何故このチョイスだったのか、アスカはシンジに尋ねたのだが、シンジはデパートの婦人服売り場で、何を買えばいいのかさっぱり分からず、その内シンジの様子を見ていた店員が業を煮やして声をかけたらしい。
その時シンジは、「知り合いの女の子が退院するんです」と、言って店員に服を選んでもらったらしい。
「じゃあ、アンタが選んだわけじゃないの?」
アスカは眉をひそめてシンジに尋ねた。
「いや…、店の人に色々な組み合わせで見せてもらってその中で良さそうなのを選んだんだ」
なるほど、アスカは合点がいった。
趣味は悪くないが大人しい。
そもそもシンジが自分で最初から服を選べるはずがない。
シンジの服に対するセンスの無さというか、悪さは承知の史実。
正直、シンジなら、ジーンズとTシャツ…。まぁ、ジーンズまではいいとして、Tシャツに「平常心」だとか、「向上心」だとか、「根性」だとかが書いてあるのを選びかねない。
いや、もしかしたら、「少年よ、大志をいだけ」とか、「少年よ、神話になれ」とかもあるかも…。
「…アスカ、そんなに僕って信用ないの?」
しばらく考え込んでいるアスカに、今度はシンジが眉をひそめる番だった。
アスカはシンジに連れられて彼の部屋までの道のりを移動していた。
この辺りでは電車などは走っておらず、移動はほとんどバスだった。公共交通機関が少ない為か、バスに乗り降りする人はそれなりにいて、右腕はカーディガンで見えないが、アスカは自分の左目が気になって仕方が無かった。
そんなアスカの様子をシンジが心配気に見ていたりしていたが、アスカはシンジの顔を見た途端になんでもないという顔をして見せた。
そして、彼の部屋のあるマンションの前…。
そこは、築五年くらいのものに見えるマンションだった。年数からして、ロックなどは手動かと思ってアスカはシンジの様子を見ていた。
シンジはドアノブの付近にあるプレートに指を付けた。
プレートに"確認中 認証 キー解除"の表示が出た。
どうやらロックは電子式の指紋認証型のようだった。
そして、認証を行ってからシンジはプレートの蓋を開けて下の部分のキーを押した。そして再びプレートに蓋した。
「アスカの指紋、今から登録するからちょっと指出して。」
そうシンジに言われて、アスカはおずおずと自分の右手を出した。そしてアスカはプレートに自分の右手を出してプレートに付ける。
"登録中、確認、認証"プレートにそう表示された。
「これでアスカは自由に出入り出来るよ。」
シンジはそう行ってドアノブを回した。
玄関にアスカとシンジが入ると、肌寒いくらいの冷房の冷気と共に、玄関に向かってバタバタと何かが急ぎ足で来る音がした。
アスカが驚いて、音のする方向を見ると、そこには懐かしい姿が…。
「ペンペン!!」
かつて、アスカがシンジとミサトと同居していた頃に一緒に暮らしていた温泉ペンギンがしきりに羽をバタつかせながら二人を見ていた。
「ペンペン、ただいま。」
シンジが何気なくペンペンに挨拶をする。そんなシンジにペンペンは「クェッ!!」と、一声鳴いた。
「…なんでペンペンがここに居るのよ…」
アスカはここ一番に思い浮かんだ疑問を口にした。
彼女は、ペンペンがサードインパクトの起こる直前に、余裕の無くなったミサトの手から疎開をしていくヒカリの手に預けられた事をシンジから聞いていて知っていたが、それがここに居る事は知らなかった。
「ああ、委員長…洞木さんから預かったっていうか… まぁ、僕が世話をする事にしたんだ。」
シンジはそう答えながら、病院から持ってきた荷物などをダイニングキッチンの隅に置いた。
「どうして?」
アスカがほんの少し眉をひそめてシンジに尋ねた。
「ああ、この前、世話をする余裕が無くてどうしようって言ってたから…」
シンジのその答えに、アスカはヒカリに対してなんとなく悪感を抱いた。
シンジの今暮らしている部屋は2DK…ダイニングキッチンと二つの部屋だった。
日本人的な考えなら、一人で暮らすには少し贅沢だけど、二人だとちょうど良いという広さ。
ずっとドイツで暮らしていたアスカ的には少し狭いくらいの広さだったが、ワンルームで彼と一緒に暮らすというのもなんとなく気が引けただろうから丁度よかったと言うべきだったかもしれない。
シンジはこの町に来たばかりの頃はネルフ関係者のみが暮らす仮設住宅に住んでいた。しかし、落ち着いた頃に同僚のチルドレンと共に暮らすという旨をネルフに訴え、この部屋に越してきた。
「じゃあ、アンタは最初から私と一緒に暮らすつもりでここを借りたの?」
「うん…。元々一緒に暮らしていたから、あっさり許可が下りたよ。」
尋ねるアスカにシンジは何でもないといわんばかりに答えた。
「あ、アスカ、そろそろお風呂入った方がいいんじゃない?
アスカを迎えに行く前に水を張ってタイマーをセットしておいたから
そろそろ沸ける頃だと思うよ?」
そういうシンジの言葉にアスカは素直に従って洗面所に入っていった。
アスカは眼帯を外し、衣服を脱いで、下着のみになって、洗面所の鏡に自分の姿を映した。
右手の指の付け根から肩口近くまで真っ直ぐに引き裂かれたようなケロイドの後、赤く変色した瞳、縦横に走る腹部のケロイドのような跡…。
「…やっぱり目立つな…これ。」
アスカは自分のお腹の辺りを右手で擦りながら、眉をひそめて言った。
彼女は改めて自分の体を見回した。アスカの体はあまり食事が出来なかったせいか、鎖骨が落ち窪んで、あばらが少し浮いて見える。
あきらかにやつれている自分の姿…。
「…こんなんじゃ、アイツでもムリよね…」
彼女の眉間に寄ったしわが深くなった。
アスカは鏡に映った自分の左目を右目で睨むように見た。
とりあえず見えてはいるが、かなり視力が落ちている。
何よりも瞳の色が…。
彼女は元々深い蒼色の瞳だった。しかし、量産機戦で受けた傷の影響か、今は淀んだ赤い色。綾波レイも赤い瞳だったが、鮮やかな赤だった彼女と違ってアスカの赤い瞳は淀んでいた。
何よりも右と左で対極的に色が違うのが余計に目立つ。
アスカは深いため息をついて自分の下着を脱ごうと、ブラジャーに手をかけた。
彼女が入院している間にシンジが選んだ、ワイヤーの入ってない色気もそっけもないスポーツブラ…
…シンジが選んだ?
アスカは自分の下を見た。
今はいているショーツ…色気もそっけもないコットンの…。
…これもシンジが…。
アスカは急に思い出した。
アスカがずっと無気力で無頓着にしていた間、色々な世話はシンジがやっていた。
そして下着から何から何までシンジが買ってきて、シンジが持ち帰って洗濯をして…
「バカシンジ!!」
突然のアスカの叫び声でシンジはびっくりして、鍋を持ったまま振り向いた。
そこには下着のままで肩をいからせながら洗面所のカーテンを握っているアスカの姿が…。
「あああアスカ?!?!」
シンジがアスカの姿に慌てふためいて、上擦った声を出した。そのときにシンジは手に持っていた鍋を取り落としそうになったが、なんとか持ちこたえた。
そんな慌てるシンジに、アスカはお構いなしに叫んだ。
「アンタ!!私の下着、洗ってたでしょう!?」
「え?あ?う、うん…。」
アスカの姿に混乱していたシンジだが、なんとか返事をした。
「あああっ!!やっぱり!!もう最っっ低!! なんでアンタが洗ったりしてんのよ?!」
シンジの返事を聞いてアスカが頭を抱えながら叫んだ。
「だ…だって!洗わなきゃ仕方ないだろ?!」
そんなアスカの様子に直感的にシンジはなんとか言い訳しないとまずいと、声を絞り出して言った。しかし、言っている言葉は混乱していた為か、ほとんど意味を成してない。
「大体なんでアンタが私の下着買ってんのよ?!ブラなんてワイヤーも入ってないじゃない?!
おっぱい垂れたらどーすんのよっっ?!?!?!」
アスカは混乱しているシンジなどお構いなしにそう叫んだ。
「だから仕方ないって言っただろ?!
サイズわかんないし、変な目で見られるし、買うの大変だったんだよっっ!!」
シンジもアスカの叫びに対して必死に弁明する。
「もぉ、サイズくらい知りなさいよっ!! 大体何なのよ?!
パンティなんかお子様の履くようなコットンの色気もそっけもないヤツじゃないのっ!?
せめてシルクを買いなさいよっっ!!」
アスカの叫びも最初のものより矛盾してきて、どんどん意味を成さなくなってきた。
「なんだよソレ!?アスカは僕に下着を買って欲しいの?!」
そんなアスカの猛攻にうっかりシンジは口を滑らせた。
「な、な、な、何で私がアンタに下着を買ってもらわなきゃいけないのよぉぉぉぉぉ!!」
アスカはこれでもかと思えるほどの、耳を劈くような大きな声で叫んだ。
「とにかくっっ!!自分の下着は自分で洗うから、アンタはもう洗わないでよっっ!!」
「そうしてもらえると助かるよっっ!!」
吐き捨てるように言うアスカに、シンジも吐き捨てるように言った。
「…それはいいとしてさ…アスカ、 タオル巻くか、服着るか、してくれない?」
一通りの言い争いが終ってから下着姿のままのアスカにシンジがボソリと呟いた。
しかし、これはかなり余計な一言だった。
「え?あっ?!きゃあああああ!!」
アスカの更なる叫びがマンション中に響き渡った。
「アスカ…、怒らないでよ。」
むくれながら黙って食事をするアスカにシンジが話しかける。
シンジはやれやれ、といった顔で自分の分の食事に箸をつけた。
時刻は午後七時を過ぎて夕飯の時間となっていた。
食事はアスカが風呂に入っている間にシンジが作ったものだ。ほとんどの品があっさりとした軽いものばかり。これは急にくどいものや普通の食事をアスカが食べられないだろうというシンジの心遣いたからだった。
アスカは黙って自分のおかずに手をつけていたが、自分の事をマジマジと見ているシンジの視線に気が付いた。
「…何よ?」
アスカは食べている手を止めて不審そうな顔をしてシンジに尋ねた。
「あ、いや。アスカがちゃんと食事してるから…さ。」
アスカはその言葉に少しムッとして言った。
「何よ、私が食べてちゃ悪い?」
「悪くないよ、嬉しいんだ。それに…。」
シンジはここで言葉を濁らせた。アスカはそれが不審に思えて少しきつい口調で聞き返した。
「何よ、言いたいことがあるならハッキリ言いなさいよ。」
シンジはアスカのこの言葉に、アスカの顔色を見るような様子でアスカの方をチラチラと見てから言った。
「あの…アスカがちゃんとスプーン持てるようになったから…さ。」
えっ??
アスカはシンジに言われてハッとした。たしかに自分は"右手"でスプーンを持って食事をしている。前はすぐに取り落としていたのに、まったく気が付かなかった。
「…別に大したことじゃないわ。そんなに気を使わなくてもいいわよ。」
一応、アスカはそう言ったものの、自分でも驚いていた。
アスカは食事の後、シンジが片付け物をしている間に自室のベッドの上に寝転がって右手を開いたり閉じたりしていた。
「…動く…」
相変わらず傷跡は残ってはいたが、先日までは上手く動かなかった右手なのに、気が付かない間に動くようになっていた。さらに、前は動かす度に、痛みが走っていたのに痛いとは感じない。
何時から動くようになった…??
アスカは考えたが、入院が決まって…それからのような気がする。
アスカは自分の部屋からダイニングキッチンへ戻ってきた。
冷たい冷気がどっとアスカの頬に当たった。相変わらずこのダイニングの冷房は強めにしてあるようだ。
洗面所の方から水しぶきの音が聞こえる。どうやらシンジはお風呂に入っているらしい。
ふと、ダイニングの隅を見た。ペンペンが大きな籠の中で寝ていた。ペンペンの為に冷蔵庫を置かないかわりに冷房を強くしているらしい。
と、突然ペンペンが目を開けてた。どうやら起きたようだ。
アスカの方を向いてしきりに羽をバタバタさせている。
「ねぇ、アンタはこれ、どう思う?」
アスカはペンペンに右腕を見せて言った。
「クェ?」
ペンペンはアスカの右腕を一瞬見たが、そのまま視線をアスカの顔に向けて首をかしげた。
「…気にしているのは自分だけかな…。」
アスカは誰に言うというわけでもなく、独り言のように言った。
洗面所の方から風呂場の戸が開いて閉まる音が聞こえた。
しばらくごそごそと音が聞こえていたが、そのうち、洗面所のカーテンが開いてシンジが出てきた。
「あれ、アスカ。寝てなかったの?」
シンジが自分の頭をバスタオルでわしわしと拭きながら言った。
「別に…眠たくないし…。」
「そう。」
シンジは冷凍庫を開けて中に入っていたアイスを取り出した。
「アスカもいる?」
「あ…別に…いい。」
アスカはシンジから視線を逸らしながらそう答えた。
「そう。」
シンジは少し残念そうにそういうと中から取り出したアイスの袋を開けてかじりついた。それを見ていたペンペンはシンジの足元まで来て、もの欲しそうにシンジを見上げた。
「…ペンペンはダメ。代わりにこれ、あげるよ。」
シンジは冷凍庫の中から氷を幾つか手に持って自分の足元のペンペンに向かって落とした。
ペンペンは大口を開けてそれを上手くキャッチしてガリガリと氷を食べた。
「…なんでアイスあげないのよ?」
一人と一匹の様子をじっと見ていたアスカがシンジに尋ねた。
「ペンペンは歳なんだよ。
それにこの前獣医さんに診てもらったら、
あまり、味の濃いものやヒトの食べ物とかは与えちゃダメなんだって。
ほら? ミサトさんって結構ペンペンにおつまみとか色々ペンペンにあげてたでしょ?
あれってよくないらしいんだ。」
シンジは何気なさそうに答えた。
「ヒカリの家だといいものを食べてたんじゃないの?」
今、あまりヒカリに対していい感情を持っていないアスカだったが、別に意地悪をするつもりはなかったが、なんとなくシンジにそう尋ねた。
「…そうでもないみたい。
味付けされてない物を食べてくれるようになるのに結構、時間かかったよ?」
そう答えるシンジにアスカは改めて友人が変ってしまった事を思い知った。
「じゃあ、僕、そろそろ寝るから…」
そう言ってシンジは自分の部屋に向かって歩き出した。
しかし、シンジが部屋に入ろうとする瞬間、アスカがシンジのシャツの袖を掴んだ。
「…な…何?」
尋ねるシンジに、アスカは何も言わずにじっと彼の目を見ている。
「どうしたの?」
シンジが再び尋ねる。
アスカはシンジの目から視線を逸らさずに見ている。
「黙ってたら何も判らないよ…。」
シンジは少しため息混じりに言った。
「…アンタ、分かってて、そう言ってるの?」
シンジの様子に、アスカは眉をひそめながら、右目を細めて言った。
「…ゴメン。」
シンジはアスカから視線を剃らして、下を向いた。
アスカは、シンジのこの言葉を聞いて悲哀に満ちた顔をした。
そして、掴んでいたシンジのシャツから手を離して、うなだれながら言った。
「…やっぱり、私じゃだめなんだ…。」
「違うよっ!!」
突然シンジが顔を上げて叫んだ。
「僕だって男だから…これでも…」
そう言ってシンジは突然、アスカの腕を掴んで自分の胸元に引っ張り込んだ。アスカは驚いたが、声を出す暇もなく、シンジに抱き寄せられた。
「…我慢してたんだ。
でも、無理やりなんて…
それにアスカは…こんなに…」
シンジはアスカの細くなった体を、折れないように抱きしめながら彼女の背中に回した手でその背を撫でた。
「…別に、我慢しなくてもいい…。
それに、何もしてくれない方が…イヤ。」
アスカはシンジに抱きしめられながら自分の手を彼の背に回し、その胸に顔を埋めた。
「…でも…」
シンジは戸惑ったような声を出した。
「お願い。でなきゃ私、ここを出るわ。」
アスカが顔を上げてシンジの目を覗き込んだ。
シンジを見ているアスカの目は…淀んだ赤い瞳と元々の蒼く澄んだ目は、潤んでいた。しかし、それは、情欲で潤んだ目でなく、寂しげな、とても哀しそうな目だった。
「シンジが側にいるのに、ずっと不安なのよ。
こんな風になった私を、シンジがいつか見限って、何処かに行くんじゃないかって。
ずっとそれに怯えてる…。」
途中でアスカは下を向いて震えるような声になりながら言った。
「そんなこと…僕はしないよ…」
シンジはアスカの背中を摩りながら言った。
「わからないわよ…未来のことなんて。
ヒカリだって変ったわ。アンタだって変るかもしれない。
不安なの、どうしようもなく不安なのよ…。」
そして再びアスカはシンジの目を覗き込んだ。その目はほんの少しの憂いと、決意の入り混じった目だった。
「だから、私を求めて…。こんなんでも欲しいって。
もしも、アンタのものになれないなら、私、ここに居る意味なんてないから…」
涙が滲んだアスカにシンジは「ごめん…」とだけ囁いて、そして先ほどよりも強く抱きしめた。
月明かりが窓辺からゆるく、部屋の中に射し込んで来る。
アスカはおもむろに上半身を起き上がらせた。
「うっ…」起き上がらせる途中で、足の付け根の辺りから、中を引っ掻かれたような、何も言いがたい痛みを感じた。
それと、何かを押し込まれたような、そんな異物感も…。
彼女が起き上がった場所、ちょうど彼女の腰がベッドのシーツに沈み込んでいる場所、そこから冷やりとした感触があり、彼女はそこをよく見てみた。
シーツの冷たい部分には赤いものが着いて滲んでいる。
アスカはベッドの傍らに眠る少年の顔を見た。
…とても安らかそうに寝ている…
二人で床を一緒にしている間中、ずっとアスカを気遣い続けていた為に疲れたのだろう。
アスカはシンジをじっと見つめていたが、そのうちポツリと呟いた。
「シンジ、私は間違ってる…?
私、ただ慰めてもらっただけじゃないよね…?」
アスカはふと、ミサト達のことを思い出した。
大人の慰めあい…。加持に向かって、何かを求めていた元同居の女…。
「僕は慰めてなんてない…
ただ、またアスカを傷つけたんじゃないかって…
そう思ってる…。」
アスカの言葉に答えるようにシンジが呟いた。
「…傷つけられたなんて思ってないわ…。
好きよ? シンジ…。」
月明かりが窓辺から差し込む中、二人は再び睦み合った。
再び心の壁が二人を引き裂く日が来るかもしれない。
それでも、この時の気持ちが本当だと信じて…。
END