Prologue

Flowers for Children- チルドレンに花束を -

2015年は混沌とした年だった。 2000年に全世界を恐慌に陥れたセカンド・インパクト。 国連はこの未曾有の災害を、『南極大陸における大質量隕石落下による大災害』と、発表した。しかし、実際は『目覚めさせてはいけない"神"からの洗礼』以外の何ものでもなかった。
かろうじて人はこの"神"の洗礼の被害を最小限度に食い止める事は出来た。しかし、人の業は深く、全人類の半分が消えた"神"からの洗礼…セカンド・インパクトからの教訓を鑑みる事はなく、人はなおもその"神"の力を欲して、自分をも"神"になろうとした。
結果、"E計画"、すなわち、"神の再生"をもくろんだ。人は南極より拾った神に似せてその"神"の肉体より"エヴァ"を作った。

しかし、その似せて造った"神"の肉体には魂がなかった。何人たりともこの"神"の肉体を、力を使う事が出来なかったのだ。
そこで、この"神"の肉体に意志を宿らせようとする実験計画が若くして優秀な形而上生物学の研究者となった碇ユイ博士により発案された。
碇ユイは2005年、第3新東京市で行なわれたその実験の際、自らこの実験に参加した。
結果、その神の肉体に取り込まれ、帰らぬ人となった。
時を同じくしてドイツでよく似た実験が惣流・キョウコ・ツェッペリン博士の発案と自らの参加により実施された。彼女もまた、ユイと同じくエヴァにその魂の一部を取り込まれ、残された部分は半ば精神が崩壊する形となり、壊れた彼女の精神はその命を自ら絶つことで終った。
そのような実験等の結果、"神から造りもの"の"エヴァ"に人の意志…魂は宿る事となったが、彼女らの子供達…、碇シンジと惣流・アスカ・ラングレーはそれぞれ母を失い、幼くして孤独の身となった。

そして、10年後、セカンド・インパクトでバラバラになった"神"の肉体とその中にあった魂達がこの地上での己の種の繁栄と生命の頂点を巡る戦いを挑んで来た。
…俗に言う、"使徒、襲来"である。

人は奇しくも自分達が"神"になろうとして造り上げたもの、エヴァを使徒との戦いの為に投入する事により、この危機を乗り越えようとした。
しかし、エヴァを実際動かすには意志が宿っているだけでは動かす事が出来ず、その為にエヴァに宿っている魂…意志の他に、エヴァの肉体そのものを動かす為の魂…パイロットとして、エヴァにその意志を宿らせたものの子供たち…碇シンジと惣流・アスカ・ラングレーが抜てきされた。
他にも、南極で発見された使徒の始祖たる"神"、すなわち"アダム"以外に、第3新東京市、旧箱根で発見された人類の、"リリン"の始祖たる"リリス"の魂を宿らせた碇ユイの遺伝子とエヴァの身体という偽りの肉体を持つ少女、綾波レイも参戦した。
斯くして、リリスの子たる人類とアダムの子たる使徒とのこの地上の覇権を巡る戦いは幕を切った。

勝利はどちらの子供達の手に渡るのか…。
それは今だ、誰にも分からなかった。

To be continued
1st.Story L'ÈVA Future or 2nd.Story Das ein- und ausgeschaltete Mädchen

初出: 2005/06/19
Author: AzusaYumi