ジリリリ、ジリリリ。

目覚ましが鳴っている。

夕べは何かをするわけでも無かったけど、遅くまで起きていた。
気の疲れからか、朝が近くなってからそのまま泥のように眠ってしまった。

 疲れた…。起きる気になれない…。

そう思ったが、自分の中の義務感や良心がそれに歯止めをかける。

 …学校、行かなくちゃ…。

そう思うと逆に憂鬱な気持ちや疲れがどっと沸いてくる。
それがやたらと自分の中を蝕んで、何かをしようという意欲を抑え付けようとする。
何よりもそれに抗しようとする気力そのものが無くなっていた。

アスカに花束を

アスカはこの日、学校に行かなかった。
彼女はベッドの上に横になりながら呆然と天井を見上げている。
母は早くに仕事に出ていた。だから彼女が学校に行かなかったのはまだ気付いていない。
多分、母には何らかの形で分かってしまうだろう。でも、彼女にはそんな事すら気にならなかった。元々、彼女は与えられた役割や仕事はしっかりとこなすように心がけてはいたが、今はただ、じっと横たわっていたい気分だった。

当然ながらシンジを迎えに行ったりもしなかった。
アスカが彼を迎えに行くのは毎朝の日課のようになっていたし、昨日の今日だから何かを言われたり、思われたりもするかもしれないが、それでも学校に行く気になれなかった。

ベッドの上で枕に顔を埋めながらアスカは昨日の事を思い出す。
昨日はシンジが誕生日に祝いに来てくれる事で調子に乗ってはしゃいだ。
まるで小さな子供の頃に戻ったように楽しかった。あれだけ浮かれたのはどのくらい振りだったろう。その分、シンジがレイの緊急入院で来られなくなったのが堪らなく辛くなった。自分の心がいきなり下まで突き落とされたような、そんな感じで。浮かれていた分、落胆した時の痛手が大きくなった。

 …楽しみになんか、するんじゃなかった。

心の中でそう、嘯く。
でないと、大切なおもちゃを壊した子供のように泣き出しそうだ。
泣きたくはないし、取り乱したくもない。大人のふりをして平然としていたい。だから、そうやって自分の心を誤魔化して必死になってなだめる。だけど、本心に嘘を付くのはとても疲れる事だ。
そして何よりもシンジが来てくれるのではないかと願って待ったりしていたのが余計に彼女の中の疲労を助長させていた。そもそも、電話でシンジがレイの体調が悪くなって親戚中が慌しくなって、と言っていた時点で彼が来られないのは判っていた。普通、入院ぐらいで親戚が慌ただしくなったりしないだろう。レイの身体の弱さはいつもの事だ。多分、レイの命に関わるような事態が起こったのではないだろうか。でなければ親戚がどうとかいう話まで行かないだろう。
判っていながら、それでも待っていた自分が随分と未練がましい。
そして、その後にした事はあまりに幼稚で…惨めだ。

 何やってんのよ、私は。もうどうだって良い事じゃない。

頭を振って忘れようとしても、夕べの事が何度も頭に過ぎって離れない。
何故、自分は"来れたら来て"などと言ったのだろう。
何故、待ったりしていたのだろう。
来られないような奴を。

いつの頃からか、何を考えているのか分からなくなってしまったシンジ。大体、彼は自分の事が好きなのかどうかも判らない。あのケーキは自分の為に買ってくれた。だけど、それだけだ。それ以上の誠意があったかどうかと言えば、判らない。それまでのシンジの行動はお世辞でも彼女に対して良いとは言い難かった。レイがやって来てから彼女に対して随分な執心を見せていた。執心していたかどうかは本当の所は判らないが、少なくとも彼女にはそう見えた。彼の気遣いや優しさは全てレイに取られてしまったような、そんな想い。もしかしたら自分が"嫉妬"というフィルターをかけてそういう風に見ているだけなのかもしれない。そう思っても、レイがとても疎ましく、シンジが腹立だしく思う。

 嫌だな。私、すごく嫌な事考えてる…。

廻り廻る思考が卑屈さと妬みに満ちているのが自分でも判る。

 嫌だ…。何でこんな事ばかり考えるのよ?

冷静さが欠けてきた自分。何かがおかしい。こんな歪んだ事を考えるような自分では無かった。冷静になるように、そして物事を正しく見られるようにと何度も自分に言い聞かせる。

アスカは電話口でシンジに"来れたら来て"と言ってしまった事を思い出す。
ある意味、シンジが大変な時にわがままを言ったと責められてもおかしくない言葉だ。
あの時、自分が何を考えていたのか自分にすら判らない。何かに追い詰められたように咄嗟に言ってしまった。

追い詰められた…。
そう、自分は追い詰められていた。

レイがやって来た日。
いつも彼の隣に居たのは自分だった筈なのに、気付けばそこはレイの居場所になっていた。
自分の居場所を、シンジを取られてしまったという思い。
シンジがレイと一緒に居るのを見る度に、少しずつ心が荒み、削られていった。
じわじわと積もり積もっていく不満と焦り。
そして、膨れ上がっていく不安。
シンジがあの子の事を好きだったとしたら。
自分の居場所など、本当はとうに無くなっていたとしたら。
そう思うと、堪えられなくなった。
何に対しても。

 アイツ、怒るかな?怒るだろうな…。

アスカは暗い気持ちでシンジの事を考えてみる。
多分、根に持って当てこすりに学校を休んだとシンジに思われても仕方が無い。
次に会う時に彼と顔が合わせ辛い。

「…バッカみたい。自分で自分の首絞めてるだけじゃない…」

そう、自分をわらってみせる。
そうしている事の空しさがどうしようもなく気持ちを憂鬱にさせる。
アスカはそれから逃れるように枕に顔を埋めた。

学校が終わり、シンジは学校を飛び出して繁華街へと駆け出した。
昨日はレイの突然の入院で慌しくなった。一時的に危篤状態とまで言われた。
一体どんな病気なのかシンジには判らなかった。聞かされていたのは先天性の病で常に虚弱で時々命を脅かすような発作がある事だけだ。それ以上は彼の方からは聞きづらかったし、親戚も両親も教えてはくれなかった。レイがこの近くに引っ越して来てからというもの、彼女とはよく一緒に行動していた。でも、レイの事はまともに知らない。彼女が越して来て間もない頃、シンジの目の前でレイが発作を起こした事がある。その時はたまたま、いつもは一緒に居るアスカは居なかった。いや、居なかった方が良かったかもしれない。目の前で唐突に人の生命が脅かされるような場面は子供には辛い。子供心にレイが苦しむ姿を見て、彼女を心配するよりも先に死に対する恐怖の方にすっかり彼の顔は青褪めた。従妹であるはずのレイの事を他人行儀に"綾波"と呼ぶのもその時の恐怖が今だに心の奥底にあるからかもしれない。レイもそれを悟ったのか判らないが、彼の事を"碇君"と苗字の方で呼んでいた。

学校に行く時は幼馴染のアスカと一緒になってレイを迎えに行ったりしていたが、最初の頃はどうしても死の脅威に心が萎縮しているのか、余所余所しくて他人行儀だった。レイはこういう扱いをされる事に慣れていたのか、表情に出す事はなかった。しかし、逆にそれがシンジにとって後ろ髪を引かれていたのだが。無表情そうにアスカと自分の後を付いていくレイはとても寂しそうで、シンジにとって何かとても悪い事をしているように感じていたのだ。
その為に彼は勤めて彼女に優しくするように心がけていた。遊びに行く時はレイを誘ったし、調子が悪ければ見舞いに行ってあげた。彼女に何かあればなるべく顔を出すようにしていた。
それが功を奏したのか、レイとはそんなに他人行儀にならなくなった。従兄妹同士の妙な呼び方は今でも続いているが、それもすっかり定着してしまった。むしろそう呼び合わないと何か違和感がある。

逆にアスカの方は彼がレイと馴染めば馴染むほど面白くなさそうにしていた。それは、彼女と小さな頃から付き合っていたシンジにはよく分かっていた。だけど、レイを放って置いてアスカと仲良く出来るほど彼は器用でも無かった。アスカに悪いと思いつつ、レイにも気を使う…。彼にとっては少し疲れる事だったが、それ以外の良い方法も特に思い付かなかった。

アスカはそんなシンジに何かを言う事は無かった。
そのせいか、気が付けばシンジはアスカに気遣う事が殆ど無くなってしまった。学校だけは二人と一緒の所に行けれさえすればいい。三人が一緒に居れさえすれば…そんな甘い考えがいつの間にか当然になっていた。アスカがあの日、レイが学校を早退して久々に二人きりで帰った日に、自分と一緒に買い物に行こうと誘った時までは。

「…あんな事言うアスカ、初めて見た。」

レイも誘おうかと話を持ちかけた時、アスカははっきりと嫌がった。
たしなめようとした自分に鞄をぶつけて走り去って行ったアスカ。
時々わがままを言ったりしていたけど、徹底して我を通して人を困らせるような子ではなかった。何よりもあんなにはっきりと人を嫌忌するような事は言った事はない。人を仲間はずれにしたりするような事は無かったし、どれだけ自分が間抜けな事をしようと、レイが虚弱で足手まといになろうと、逆に自分達を引っ張って来た。

「強いって、そう思ってた。」

アスカは何があっても泣き言を言わなかった。
小さい頃、遊びに出かけた先で一緒になってつまずいて転んだ時も、シンジは小さな傷で大泣きをしていたのにアスカは泣かなかった。逆に自分を引っ張って家まで連れて行ってくれた。家に着いた時に泣き止んだシンジは、アスカの足に自分よりも大きな傷があるのに気が付いた。靴下の所まで血で汚して、相当痛かったはずだ。なのに、アスカは泣きじゃくる自分をたしなめながら手を引いて歩いた。
ちょっとやそっとの事では挫けない。
そんな彼女が珍しく我が侭を言ったから、誕生日に彼女一人を祝ってあげればいいと。
結局、レイが入院する事になって彼女の誕生日には行けなかった。

「でも、仕方の無い事だから…。」

それで彼女が赦してくれると思ってた。
連絡もちゃんと入れた。
だから次の日に軽く謝りさえすれば…。

でも、今朝彼女は迎えに来なかった。
いつもは放っておけないと迎えに来ていた彼女が来なかった。
昨日の事を怒って先に学校に行ったかと思って登校してみたが、彼女は居なかった。
彼女の携帯に電話をかけたが電源を切っているのか、繋がらなかった。
ずる休みが出来るような彼女じゃない。昨日の今日、原因は確実に自分にある。

繁華街の商店街のアーケードまで来たシンジは、アーケードの入り口近くにあるフラワーショップの前でふと立ち止まった。昨日、レイの緊急入院の連絡が入って買い損ねたアスカへの誕生日プレゼントを思い出したのだ。

「…まだ…あるかな?」

先日、このフラワーショップが青い薔薇を入荷したという広告を見た。青い薔薇といえば一昔前までは作り出す事も困難と言われていたものだ。シンジはそれをアスカにプレゼントしようと思い、花屋に予約を入れようと思ったのだが、広告をよく読んでみれば当日買いしか駄目だと書かれていた。それほどの人気らしい。
シンジはその店先に入って行った。
中には植物の青臭い匂いや、色々な花の匂いが混在していた。
シンジは店先で切花を大きなバケツの中に入れていた若い男の店員におずおずと話しかけた。

「あの…すみません。」

「あーはいはい。いらっしゃいませ。何でしょう?」

店員は軽い調子でシンジに答えた。
少し緊張しながらだったシンジだが、店員の様子に少し気が楽になって本題を切り出す。

「あの…青い薔薇ってまだありますか?」

「あ~、すいません。アレ、昨日で売り切れちゃってね~。」

「…そうですか。」

シンジは少し暗い表情になった。
それを見た店員は少し気まずそうな顔をして尋ねる。

「あの、どういったご用件で買われるのでしょう?」

「あの、知り合いの女の子の誕生日プレゼントに…。」

ああ、なら…。
と、店員は言いかけながら、手前のバケツに生けてあった真っ赤な薔薇を取り出す。

「この前入荷した青い薔薇と同じハイブリッド・ティー・ローズの一種なんですけどね、
 これ、女の子には人気なんですよ。」

笑顔で店員に真っ赤な薔薇を差し出され、シンジは呆気に捕らわれた。
赤、たしかに赤はアスカが好みの色だし、似合いそうだ。ただ、真っ赤な薔薇という辺りで何か、躊躇する。こういうのはドラマとかで男が女性にあげたりする臭いシーンを連想する。はっきり言えばそういうのは格好を付けすぎるし、臭すぎる。それに、こんなのをあげたらアスカにだって勘違いをされかねない。

そこまで考えてシンジはハッとした。
瞬間、妙にアスカの顔が頭にちらついて、顔に血がじわじわ通うのを感じた。

 ちょっと…?!えっと…。それって、それって…。

「あの、お客さん?」

店員が小首をかしげながらシンジの顔色を伺うように声をかけてきて、シンジは驚く。

「これ、宜しいんですか?」

「えっと…あ、買います!」

シンジは咄嗟に返事をした。
結局、シンジは店の人に赤い薔薇で大きな花束を作ってもらい、それを持って店を出る事になってしまった。

自分の家の隣、アスカの家までの道すがら、シンジは妙に彼女の事を意識していた。
謝るつもりだったのに、こんな風に意識することになるとは思っても見なかった。
しかし、そう思うと逆にこの間の事や夕べの事で余計気が咎める。

 傷つけちゃったかな…?やっぱり…?

シンジは酷く憂鬱になってきた。
果たして彼女は会ってくれるだろうか?
もしかしたら、愛想を尽かしてまともに取り合ってくれないかもしれない。
ずっと考え込みながら歩いていたが、いつの間にか彼女の家の近くまで来てしまった。
アスカの部屋のある辺りを見上げる。
その部屋はカーテンがしっかりと閉めてある。
出かけている可能性もあるかもしれないが、多分、彼女はその部屋に居る。
シンジは溜息を付く。

 やっぱり、謝るしか思い付かない…。

シンジは重く感じる自分の足を前に進ませ、彼女の家の玄関前まで来る。
いったん立ち止まって深呼吸をして、インターホンを鳴らした。

アスカは枕に顔を埋めながら半ばまどろんでいた。
随分考え込んで疲れていた。悩みたく無いのに、嫌でも妙な考えが頭の中を駆け巡り、それがどんどん自分を追い詰める。暫らく経てば落ち着くかと思ったが、時間が経てば経つほど不安になってくる。

そんな中、家中にインターホンが鳴り響いた。
アスカの身体がビクリと大きく震える。

とても出る気はしない。自分の部屋の窓から外の様子を見ようとするが、玄関の辺りは死角になっていて見えない。アスカは嫌々ながら身を起こしてぐったりと疲れる体を引きずりながら玄関に向かう。ドアを開ける前に、誰が来たのか確認する為にドアスコープから外部を覗き見る。そして、外に見えた人物を見てアスカが身を仰け反らせた。

 …シンジ!?

アスカはドアスコープから目を逸らし、肩を抱く。
自分の身体が少し震えているのが分かる。
何故シンジが…。
どうして彼が来たのか判らない。
もしかしたら昨日の事や今日の事について責めに来たのだろうか?
だとしたら、何て言えばいいのか分からない。
ただ、今はシンジの存在がとても怖く感じた。
いつも自分は物怖じをする事はなかった。
それが何時の間にか萎縮してしまって怯えて尾を下げ、振るえている。
何てことは無い、相手はシンジ。
自分がそれまで引っ張って来たと思っていた相手、その筈なのに。

アスカがどうしていいのか判らなくなってまごついている間にもインターホンは鳴り響いている。いつもはこういう事はしないし、出来ないような奴なのに、今日に限ってしつこい。よほど怒っているのか。でも、その辺りを推し量るだけの余裕がアスカには無かった。

「ねぇ、アスカ?居るの?居るなら出てよっ!お願いだよっ!」

シンジがドアの前で叫ぶ。
自分の気持ちがどんどん追い詰められていく。

 出たくない。シンジが怖い!

しかし、そんな思いとは裏腹に、シンジは叫ぶ。

「アスカっ!謝りたいんだよっ!だから、お願いだよっっ!!!」

アスカの身が小さく振るえた。

 …謝りたいって…何?

シンジの叫んだ言葉が妙に頭に響く。
アスカは鍵を開けて、ドアを恐る恐る開いた。

シンジの叫びにドアがゆっくりと開き、アスカが出てきた。
彼女の姿を見た途端にシンジはホッとなった。それと同時に、彼女の表情が暗く、何かに怯えているように小さくなっているのに驚いた。
アスカの方はシンジが抱え持っているものに、目を見開いて驚く。先ほど見た時は、シンジだと分かった途端に目を逸らして気が付かなかった。真っ赤な薔薇の花束。どうしてそんなものを持ってきたのか、アスカはよく分からなかった。ただ、困惑した視線で彼の顔を見るしかなかった。

「…昨日は行けなくてごめん。」

シンジは心底申し訳無さそうな顔をしながらアスカに向かって言葉を紡ぐ。

「それと、これ。誕生日プレゼント…。」

シンジは自分の手に持っていた花束をそっとアスカに手渡す。
アスカはそれを震え出しそうな手で受け取る。

「…赦して貰えるとは思わないけど、本当にごめんね、アスカ…。」

気遣わしげに、そして真摯に謝るシンジ。
そんな彼の姿を見て、アスカはどう答えて良いのか判らなくなっていた。
自分の誕生日に来てくれないとシンジを心の中で何度も責めて、その原因だと彼の従妹のレイを疎ましく思っていた。そんな自分が嫌で仕方がなく、ひたすら自己嫌悪に陥っていたのに。まさかシンジがこんな風にして来るとは思ってもみなかった。

「…何て…言えばいいの?」

「え?」

「…何て言えばいいのか、わかんない…。」

今の気持ちを言葉にすることが出来ずに、アスカは思ったままを口にする。

そんなアスカに、シンジは少し困った顔をした。
彼もそんな事を言われて、どうすればいいのか判らない。アスカに愛想を尽かされ、赦してもらえないかもしれない。もう自分の相手になんてして貰えないかもしれないとすら思っていたのに。それなのに、なんて言えばいいのか判らないなんて。そのくらいこの謝罪が呆れる行動だったのか。それとも…別の?

「あの、アスカはどう思う?」

「…え?」

「この花束、どう思う?」

 …どうって…。

質問を質問で返され、アスカは暫らく考え込む。
特に何か言葉が思い浮かばない。ただ一つ言える事は…。

「…嬉しい…かな?」

「そっか。良かった…。」

そう、シンジが言った途端にアスカの肩から力が抜けた。
瞼が熱くなって、目の前のシンジの姿がゆらゆらと揺れた。
そのままふらふらとしながら、しなだれかかるようにシンジの肩に体を寄せて顔を伏せた。
シンジはいきなりの事に少し戸惑ったが、そのままアスカに肩を貸したまま、そっと彼女の髪に触れた。
アスカがその手に自分の頬を寄せる。
そんな彼女の頬をシンジは触れるか触れないかで撫でた。

「…ありがとう…。」

アスカは擦れるような小さな声を出して言った。

終わり

書いている本人も予想外直球のLASになってしまいました。
何だかこれ、すごく恥かしい内容です…ううう。
初出: 2005/12/04
Author: AzusaYumi