この世界には判らない事が多すぎる。
それに、どうしようもない事も多すぎる。
そういうものにぶち当たる度に、何も知らない、判らない、出来ない自分が居て苛立つ。

精一杯努力しているのに、どうしてこんなに思う通りにならないのだろう?
暗く、先の見えない道を迷いながら闇雲に走り回っているようで、苛立つ。
なのに、判らない事は後から後から現われては、私を迷わせ、混乱させる。
それが私をさらに苛立たせる。

この世界はどうにもならない事ばかりで、私に優しくない。
なんで私はこんな世界に生きているのだろう?
嫌いだ、こんな世界。暗い闇しかない世界なんて嫌い。
自分の思い通りにならない世界なんて、嫌。

もっと、自分の力で切り開ける世界ならいいのに‥‥

2nd.Story

Das ein- und ausgeschaltete Mädchen -接続された少女-

Episode 7

憂鬱、すごく憂鬱だ。今日もあのバカが居る。
シンジは今日もミサトと私が暮らしているマンションに居た。学校の帰りに雨が降っていたのだけど、しみったれたシンジの顔が見たくないから、ヒカリとちょっと雑貨屋に寄り道してからミサトのマンションに帰ってきた。そしたらあいつってばちゃっかりキッチンに突っ立っているのよ。雨が降ってて憂鬱な気分になっちゃって、ショッピングもあんまり楽しめなかったっていうのに、何していたのかわかんなかったけど、シンジはキッチンで辛気臭そうに突っ立っていた。なんか、いかにもすることが無くてどうしようもないから~みたいなのをを感じた。おかげでこっちはさらに憂鬱になった。同居って事になっているから仕方ないけど最悪‥‥。

ここ一週間、私はすごくいらいらしていた。
私とシンジの間でクッションみたいに居たファーストが不在だった事もあるけど、とにかく苛立った。
使徒戦後、司令の命令で黒服に連れて行かれたファーストは、学校にも来なかったし、住んでいるマンションに帰ってくる様子もなかった。
何だか気になって、ネルフの連中にファーストの事を聞いてみたりしたけど、みんなその事について触れられないのか、貝みたいに口を閉ざして教えてくれなかった。
使徒との戦闘でファーストは命令違反みたいな事をして、その直後に司令があいつ一人に問答無用の即時帰還命令をした。多分、ファーストは禁固とか監禁だとかされていたんじゃないのかなと思う。碇司令はシンジと違って、強面で何を考えているのか判らないし、何か胡散臭い。裏で何をしているか判ったもんじゃないし、私ら子供相手でも容赦が無さそうだ。そのうち、命令を聞かない奴は問答無用に銃殺刑とかするんじゃないの?とすら思う。
とにかく、ろくでもない毎日だった。
こんな嫌な毎日になったのも、司令はもとよりシンジが余計な事を言ったからなのもある。
戦いとは無関係のお気楽なクラスメイトが修学旅行に行っている間、私らチルドレンは第3新東京市で人類の平和を守る為にお留守番をするハメになった。その間に浅間山火口内にて使徒発見。私とD型装備をした弐号機で使徒を殲滅。その後、近場の温泉で養生‥‥の、はずが、司令の命令によりファーストを黒服が連行。暗くて辛気臭い雰囲気になったところでバカシンジがこれまたバカな事を言った。
『…綾波、飛び込まなきゃ良かったのに…』
とか、
『綾波が飛び込まなきゃ命令違反にならなかっただろ?溶岩の熱にだってやられることもなかったじゃないか!』
とか。
何よ、ソレ? つまり、溶岩の中でピンチだった私は死んでも良かったっていうわけ?
まぁ、そこまで考えていたってわけじゃないと思うけど、よくもまぁこんな事を言えたわよね。
こいつの考えている事の底の浅さはよく判っているけど、私の事を本当に綺麗さっぱり忘れてくれちゃって。
いくら判っていても、ここまでされるとさすがにカチンときた。
当然、温泉なんて堪能出来ない気分になって、私だけ帰ってきちゃった。
…と、思ったらあのバカも帰って来るし。
シンジだけ温泉に入って堪能してこりゃあいいのに、わざわざ帰ってくるバカさ加減。
場の空気を読まないし、要らない事を口走る軽率さはあるクセに、変なところで気を使うというか。
‥‥違うわね。人の顔色を見てるんだわ。
温泉旅館では場の空気を読まずに奇麗事を言って偽善を振りまいていたくせに、いざ立場が危うくなったり、自分ひとりが浮きそうになったりすると、人に嫌われないようにだけはする。
それって結局、自分の事しか考えてないって事じゃない。
あのバカの事だから、嫌われると辛いからとか、見捨てられるのはイヤだとか、大体そんなところね。
あいつのそういうところ、大っ嫌い。
人の為に何かをするような素振り見せても、他人の事なんか本当は考えてないんじゃないかなって思う事がある。
‥‥実際、そうかもしれないけど。
ファーストを心配して思いやっているような事を言っていたけど、本当はどうだか判ったもんじゃない。
マグマの中へ助けに来たのだって、本当は私の為なんかじゃないかもしれない。

‥‥最低。
あいつ絡みの事なんて、そんなのしか想像出来ない。
苛立つ。ものすごく苛立つ。あの、自分の身を守る事だけに一生懸命なあいつがムカツク。

私はこれだけムカついているのに、何故かシンジと一緒にミサトのマンションに住んでいる。
以前、エヴァ二体による同時荷重攻撃でしか倒せない使徒が現れた時、ファーストの零号機が実践向きじゃないうえに壊れていたから、私とあいつは上手く同時に攻撃出来るように組んだ。
数日間一緒に暮らして特訓したけど、その時はそんなに嫌な奴じゃないなって思った。でも、正式に同居が決まって一緒に暮らし始めてから、知らなかったイヤな部分が見えてきた。。あいつは日常の仕草の中で、少しずつ少しずつそれを曝していった。人を気遣っているようで、実は嫌われない為だとか、なるべく面倒事に巻き込まれないように逃げようとするのとか、そういうのだ。
あいつが事あるごとに見せる、言い訳がましさだとか、顔色伺う態度とか見ていると、すごく苛つく。
そういうあたり、あいつは自分で判っているのかな?
判ってないだろうなぁ‥‥多分。

まぁとにかく、ファースト不在の間、私はシンジとほとんど口を利かなかった。
あいつが何を口走るか判ったもんじゃなかったし、私も口を利くとロクな事をいいそうになかったから。あいつが私に何か言いたげな顔をする時とかに、煽ってやろうと思った事は何度もあったけど、寸での所でやめた。
ほとんど口を利かない毎日で、なるべく家に居ないようにしてヒカリと遊んだけど、あの子も家で家事とかがあってそう私とばかり付き合うわけにもいかなかった。
仕方ないから学校帰りにはファーストのマンションに寄っていた。一輪咲きのバラが植わった植木鉢の世話をするためだ。それは使徒戦で助けてくれたお礼代わりに、無断だったけど部屋に入って置いたものだった。
一週間とちょっと経ってから、ようやくファーストが帰ってきた時、私はちょっとだけほっとした。
ファーストにはこの一週間、何があって何をされたのか根掘り葉掘り聞いてみたけど、「わからない」と言っただけだった。当然、私がこんな一言で納得出来るわけ無いから問い詰めてやったけど、司令からの直接的な極秘命令で言うわけにはいかないと言われてつっぱねられた。私は釈然としなかったけど、ファーストがその極秘命令に背いてまで私を助けに来てくれた事を思うと、それ以上聞くのも悪いと思って止めた。

ファーストが帰ってきてからというもの、私はネルフに行く時以外、学校が終わった後はファーストとヒカリの三人で帰るようになった。以前のファーストは人の話どころか世の中の全ての事なんて興味無しって感じだったけど、最近は判らない事とか聞き返すようになったし、話もそこそこに乗ってくれる。こいつも聞き上手なもんで、しょうもない話でもちゃんと聞いてくれるし、こちらが熱心に話をすると真剣に耳を傾けた。ファースト自身から何かを話す事はめったに無いけど、こちらの話を聞いてくれるのはやっぱり嬉しい。
シンジの方はというと、帰る時は相田や鈴原と一緒のようだったけど、ネルフに行く時だけは私たち二人と一緒だった。もっとも、六歩くらい後ろの方について歩いていただけだったけど。私が隣り合わせのファースト相手にほとんど一方的に話をして、シンジは後ろからヒョコヒョコついてくる、そんな感じだった。

私がシンジを無視する日々は何日も続いた。
けど、十日くらい経った学校帰りの晴れた午後、ひとつの出来事があった。事件とも言えるのかもしれない。ネルフでエヴァとのシンクロテストがあった日のことだ。その日も私たちチルドレンは相変わらずの様子で歩いていた。私は後ろをひょこひょこ付いてくるシンジを無視して、隣りを歩いているファーストへ一方的に話をしていた。
ファーストは相槌を打ったりして私の話を聞いていたのだけど、ふとした瞬間に話の間が空いた。
その瞬間、唐突にファーストがいつか聞いたことのある言葉を言った。

「あなたは、碇君と仲が悪いの?」

「はぁ? シンジぃ?何で?」

いきなり何を言い出しているのか判らなかったから、速攻で尋ね返したのだけど、ファーストは目を伏せ、少し考えるような様子を見せてから私の方を向き直って言った。

「あなたは、碇君と口、利こうとしてないから」

そんな事言われても‥‥
困る。口を利きたくない利いてないだけで、それ以上の理由は無い。
ファーストにそれを言ったら更なる質問をされた。

「どうして、口を利きたくないの?」

何だかされたくない突っ込まれ方だった。大体シンジが余計な事を言った前科があり過ぎるのがいけないのだけど、その余計な事っていうのにファーストが私を助けた事も含まれてる。それをこいつに言いたくない。

「どうでもいいことじゃん!ほら、ネルフにもう直ぐ到着よっ!」

インクラインの入り口案内の看板が見えてきた。
私は後ろに居るシンジを無視してファーストの手を引っ張り、通過ゲートの方へ向かって走り出した。

結局シンジを置き去りにしたまま、私達は定期的にジオフロント内を往復しているインクラインに乗り込んだ。インクラインが動き出すまでに少し時間があったけど、シンジは追いついてこなかった。置き去りにはしたけど、あいつとはそんなに距離を離したつもりはなかったから、多分、わざとね。私らと一緒に乗りたくなかったんだ。いや、私達でなく“私”ね、きっと。
車両の中でファーストは目を伏せたまま、じっと座っている。私は、車窓に肘をついてぼんやりとジオフロントの中を眺めていた。目に映る地下空洞の施設や木々は、外から取り入れられた光で鈍く照らされていた。日差しに強さはそんなに感じない。やっぱり直射の日光よりは少し弱いんだな。
私たちの乗ったインクラインは少しずつジオフロントの空洞を下っていく。インクライン…ちょっと違うかな。これってモノレールかロープウェイね。上から下へ架設したレールで降下していく跨座式鉄道の一種。傾斜が急なのと、ここが整備されて幾ばかりも経たないから、インクラインなんて呼ばれているのかもしれないわね。以前ここのスタッフに聞いた話だけど、五年くらい前まではまだ整備途中だったらしい。工事用の運搬資材とかを運ぶ為に、仮の設備が今よりもっとたくさんあったそうだ。その名残もあるかもしれない。まぁこんな巨大な空洞施設だものね。施工開始が15年前らしいけど、完成させるのに時間がかかっても仕方ないかもしれない。特に巨大なエヴァの格納庫とか訓練施設なんか、お金も時間もかかっていそうだ。
私はエヴァの施設のありそうな場所に目を向けた。視線の先には木しか生えてない。エヴァはこのジオフロントのさらに地下にあるから見えるはずもないけど、そこには確かに私の弐号機やファーストの零号機、そしてあのバカシンジの初号機がある。
バカシンジ‥‥こいつの名前が頭に浮かんだ時、さっきのファーストの言葉を思い出した。
私とシンジは、仲が悪いと言えば悪い。でも、原因のほとんどはあいつの言動と行動だ。もしかしたら、私が寛大さに欠けているというのもあるかもしれないけど、それでも腹が立つ。あいつは私の事なんか考えちゃいない。自分の事で精一杯。自分が一番大事。だけど、そんな自分すら好きというふうには見えない。人の顔色次第で物事決めているあいつの態度を見ていると、まるで、他人からの評価が自分の価値の全てみたいな感じがする。
そういうの、一番いやだ。見ていると、まるで‥‥‥
やめよう。なんだかあいつのことを考えると、嫌な気分になる。

地下空洞の地面が近づいてくる。モーターと滑車の音が鈍くなって、車両が減速していく。もうすぐ到着しそうだ。
私は自分の座席の横に置いた鞄を手に取った。
降りる準備を始めようと思ったところで車内の電灯が消え、モーターの音がフェードアウトするように鳴り止んだ。

「‥‥あれ?」

滑車のきしむような金属摩擦音が聞こえてきて、少し揺れてからインクラインが止まった。

「何で? 何で止まるのよっ?!」

私は慌てて車窓の外を見た。こいつは下から10メートルくらいのところで止まっている。
おかしい。こいつは無人の自動操縦だけど、ジオフロントの下と上を時間通りに運行するだけの単純なオートメーションシステムだ。エヴァや他のネルフ施設ほど複雑な造りをしているわけじゃないし、こういう人の乗る物は簡単に故障するようには出来てない。
ファーストが伏せていた顔を上げ、窓から外の様子を見るように目を凝らしたけど、いぶかしげな表情をして言った。

「おかしいわ。ネルフ施設の明かりが全て消えてる」

明かり…?
一瞬、昼間なのにって思ったけど、ここは地上より少し暗くて曇りの日みたいな感じの明るさだから、電灯は常についている。なるほど、言われて見ればジオフロント内の施設の至る所で灯っているはずの明かりが消えている。

「じゃあ停電?」

「いえ。普通の停電ならもっと早く復旧しているはずよ」

そういえば、そうだ。ここの電源は確か正・副・予備の三重に確保されているって聞いていた。でないと施設が維持出来ない。私はもう一度外を見た。どこの明かりもまだついてないし、インクラインが動く気配もない。止まってから既に一分以上経過しているのに、この状態は普通じゃない。

「何か、起こったみたいね。でも、いつまでもこうしているわけにもいかないから‥‥」

私は自分の鞄から携帯電話を取り出した。こいつは普通に出回っているのは違って、ネルフの専用回線に繋がっているヤツだ。ここはジオフロント内だから、直でネルフに繋がるはず。私はネルフの作戦部に繋がる短縮ダイヤルを押した。
――ビッ、ピッ、ピッ、ツーツーツーツー――
発信は正常に出来たはずなのに、つながる時の電子音も案内の音声も無く、ただ不通を知らせる音が聞こえてきた。

「‥‥繋がらない?!」

私は車内を見回す。こういう無人車両にはかならず非常時の連絡用の電話があるはずだ。
‥‥が、見当たらない。あれ? 普通あるでしょう? 何で無いのよっ!?
少し苛ついてきたけど、前方の右端の壁に、“非常時連絡用”と書かれてプラスチック板で保護してある赤いボタンと小さな穴がいくつか開いているのが目に入った。そっか、ここのは電話じゃなくて埋め込み型か。
私は迷わず、保護プラスチックを両手の親指で強く押して半分に割り、中の赤いボタンを押して数秒待った。
‥‥反応が無い。繋がってない?

「ちょっと、何で?!」

赤いボタンを何度も押したけど、やっぱり反応は返ってこない。
大きな爆撃音とかが聞こえないあたり、使徒が襲来したってわけでもないみたいだけど、携帯はおろか、非常用の回線までも全然繋がらないっていうのはおかしい。これは非常時というより、異常時だ。
あんまり腹が立ったものだから、思わず私は壁を蹴った。

「壊れてんじゃないの、コレェ~~ッ?!」

「セカンド、落ち着いて」

私が叫んでいると、ファーストが後ろから声をかけてきた。
ああ、そっか。壁を蹴っても怒鳴っても、仕方ないわね。
ファーストの方は落ち着き払ったような顔をして椅子に座ったまま、鞄の中から非常時用マニュアルなんか取り出していた。のんきというか、こんなときに堅物というか、でも、この状態だとマニュアルに頼るよりはある程度自分で動いた方がいいような気がする。何より、この状況で使徒が襲来とかしたらシャレにならないし、いつまでも閉じ込められるのはご免こうむりたい。
私はどうにか出来ないかと周りを見渡す。
車両は地面から10メートルくらい上で止まっている。すぐ下には樹木が植わっていて、斜め下にはネルフ本部施設の駅が見える。飛び降りたら、大けがするわね。木の枝とかがクッションになって‥‥って事もあるかもしれないけど、身体に枝とかが刺さったら、シャレにならない。
私は車両の前方から上の方を見てみた。インクラインの太い一本のレールがあって、その内側に通信用と通電用の太い線が何本も通っていた。あれ、使えそう。
私は窓ガラスをトントンと叩いてみる。少し鈍い音がしてそれなりの厚さなのが判るけど、それほどすごく分厚いという感じでもない。せいぜい厚めの強化ガラスかそこら。いや、ここはネルフだから意外にプラスチックとかでラミネート加工された防弾ガラスとかかもしれない。そうなると、少し厄介かな? でも、こんな所まで軍用に施設を整えてない可能性もある。まぁやることやっても、損は無いわね。
私は自分の鞄に詰め込んでいたノートPCを取り出した。
ちょっともったいないような気もしたけど、後でネルフに新しいのを経費で買ってもらうわ。

「ファースト、ちょっと下がってて」

「…? 何?」

マニュアルをじっと読んでいたファーストが私の声に気が付いて顔を上げた。

「ちょっと破壊工作するからさ、あんた危ないから下がっててよ」

ファーストは怪訝そうな顔をしたけど、立ち上がって車両の隅の方へと行った。
‥‥よし、離れたわね。では、いきますかっ。
私は鞄の中から取り出したPCを片手に持つと、窓に向かって思いっきり投げつけた。
PCと窓ガラスとがぶつかってすごい音を立てたけど、ガラスは少しヒビが入っただけで割れはしなかった。

「もう一回よっ!」

私は傷とへこみが出来たPCを再度持つと、ヒビの入った窓ガラスに投げつけた。
ビシっという嫌な音と共に、ぶつかった所が円形に細かくヒビが入る。よし、行ける。
私はかなりボロボロになり始めたPCをもう一度持つと、渾身の力を込めてヒビの入った窓に投げつけた。
細かく鋭い音を響かせて窓ガラスが粉々に砕け散った。
PCはそのまま外へ飛び出して、インクラインの下へ落ちていった。

「よしっ!やったっ!!」

私は歓声を上げて、ファーストの方を振り向いた。
ファーストは目を丸くしたまま、私の方をじっと見ていた。
まぁこれがコイツの驚いた顔ってヤツね。これで動じもしないでお面顔をしていたりしたら、ちょっとイヤかも。
私は何が何だか判らないという顔をしているファーストに向かって笑いかけた。

「ファースト。ここから出るわよ」

腰に手を当て、そう宣言するように言った。

Episode 7 END
初出: 2006/05/14
Author: AzusaYumi